
【お母さん保育士の葛藤】我が子の「今」を見逃さない。フリーランスという働き方がくれた「おかえり」が言える毎日

『本当は、私が一番この子の晴れ姿を見たかったのに…』
保育現場で働く「お母さん保育士」たちの心には、時に言葉にできないチクリとした痛みが走ります。
自分の子どもの運動会や保育参観。親として絶対に行きたい大切な行事なのに、なぜか自分が担任を持っている園の行事とドンピシャで重なってしまう。 参観日など「お互い様だから、交代で抜けておいでよ」と言ってくれる環境であっても、自分がクラスのリーダーを任されていると、ギリギリの人数で回っている現場の状況が痛いほど分かり、結局「私は残ります」と現実的な対応を選んでしまう。

『私がここで堂々と休んで参観に行くことが、これからお母さんになる後輩保育士たちの希望になるかもしれないのに…』
そんなジレンマを抱えながら、他人の子どもの行事を全力で成功させるために走り回る。そして、毎日のように早朝出勤をし、自分の子どものお迎えはいつも一番最後。
今回は、そんな『子どものために保育士になったはずなのに、我が子の大切な時間を犠牲にしている』と、夜な夜な自分を責めてしまっているお母さん保育士さんへ。 決して今の働き方を否定するわけでも、焦らせるわけでもありません。ただ、一つの「選択肢」として、私が今実感しているフリーランス(ベビーシッター)という働き方と、そこから得られた温かい日常について、少しだけお話しさせてください。
綺麗事では済まされない。「ごめんね」よりも先に出た本音
保育士という仕事は、本当に素晴らしい職業です。目の前の子どもの成長に寄り添い、たくさんの愛情を注ぐことができる。しかし、いざ自分が「母親」になった時、そのプロとしての強い責任感が、時に自分自身の首を苦しく絞めることがあります。

常に人手不足の保育現場は多くあります。シフト通りの勤務でサッと帰れることなど稀で、残業や持ち帰り仕事が常態化している園も多いのが現実です。 「先生、ありがとう!」と笑顔で帰っていく保護者を見送った後、薄暗くなった保育室で片付けをしながら、我が子のお迎えがまた遅くなってしまったことに胸を痛める。そんな毎日の中で、私が一番自分自身を嫌悪し、苦しかった「リアルな記憶」があります。
それは、すっかり日が暮れてしまった後、ようやく我が子をお迎えに行き、急いで車に乗せて帰る道のりでのこと。 1、2歳だった我が子は、後部座席のチャイルドシートに乗せられると、疲労感からぐったりと眠ってしまっていました。決して、一日を満足してすやすやと眠っているわけではありません。限界を迎えて、気絶するように眠りに落ちていたのです。

その小さな寝顔をバックミラー越しに見た時。 母親としての私は、もちろん『こんな時間まで預けてごめんね。健やかなリズムで生活させてあげたいのに…』と心を痛めていました。 でも、その一方で、心の中を支配していたのは、もっと別の、もっと切羽詰まった感情でした。
『あ~…寝ちゃった…。今ここで寝てしまったら、一度起きた後、夜寝るのは22時?それとも23時? …そうなったら、今日中に終わらせなきゃいけないこの持ち帰り仕事は、一体いつやればいいの…?』
子どもへの申し訳なさよりも、子どもの健やかな成長を願う気持ちよりも、その後の自分のスケジュールと、終わらない仕事へのプレッシャーに心が押し潰されそうになっていたのです。 「ただ純粋に、我が子の寝顔を愛おしいと思えない」。そんな余裕のない自分が情けなくて、夜の運転席で何度ため息をついたか分かりません。
もし今、あのままの働き方を続けていたら
私は現在、フリーランスのベビーシッターとして、自分でスケジュールを管理しながら働いています。 この春からピカピカの1年生になり、大きなランドセルを背負って小学校に通い始めた娘の姿を見ながら、ふと『もし今も、あの現場のシフトに縛られた働き方を続けていたら…』と想像することがあります。

きっと、朝は「早くしなさい!時間が無いのよ!」と、時計ばかりを気にして、朝ごはんの準備も今のように心を配る余裕はなかったでしょう。ゆったりと笑顔で送り出すどころか、バタバタと嵐のように家を出て、お互いにピリピリした空気のまま背中を見送っていたかもしれません。
小学校という新しい環境は、子どもにとって計り知れないほどの「新しい刺激」の連続です。 もし私がフルタイムで現場に立っていたら、娘は学校が終わった後、さらに学童保育へと向かい、夕方遅くまでまた別の新しい刺激の中で過ごすことになります。 もちろん、学童保育でたくさんのお友達と関わり、楽しく過ごすことも素晴らしい経験です。今現在、そうして一生懸命に働きながらお子さんを育てているお母さんたちを、私は心から尊敬しています。

ただ、私のキャパシティと、我が子の様子を考えた時。 『毎日これだけの刺激を受けて頑張っているこの子に、家の中ではホッと息を抜ける余白を作ってあげたい。』そう強く思うのです。
「おかえり」が言える至福と、何気ない日常のキラキラ
フリーランスという働き方を選び、自分で時間をコントロールできるようになった今。 私にとって一番の宝物は、学校から帰ってくる娘を、家のドアを開けて「おかえり!」と出迎えられる瞬間です。
「今日ね、お友達とこんなことをしたよ!」
「先生がこんなお話をしてくれたの!」
年齢的に言葉が豊かになってきたこともありますが、娘は学校での出来事を、目をキラキラさせながらたくさん話してくれます。その弾むような声を、「へえ、そうなんだ!」「すごいね!」と、遮ることなくゆっくりと聞いてあげられる〝心の余裕〟があること。 それが、どれほど幸せで、母親としての私の心を満たしてくれるか分かりません。

夕暮れ時、私がキッチンで夕飯の支度をしていると、娘がトコトコと覗き込みにやってきます。 「やったー!美味しそう!」 そんな素朴な声や表情が、今の私には何よりも愛おしいのです。
あの頃のように、時計の針を睨みつけながらバタバタとタスクをこなす夕食ではありません。 お風呂の時間も「早く洗いなさい!」と急かす作業ではなく、一緒にお湯に浸かりながら、心に余裕を持って遊べる温かい時間になりました。 リビングのテーブルで広げる宿題も、口出しせずにそっと見守ることができる。この余裕は、フリーランスという働き方がくれた最高のプレゼントです。
3ページで寝落ちしていた絵本を、最後まで読める夜
そして、一日の終わり。 以前の私は、娘を寝かしつける時に絵本を読んであげようとしても、疲労の限界で文字通り「3ページ」読んだだけで自分の意識が遠のき、寝落ちしてしまうのが日常茶飯事でした。(何度も顔の上に絵本が落ちてきたこと…、今思い返すと笑ってしまいますが、当時は本当に限界だったのです。)
でも今は、自分が眠魔に襲われることなく、最後までしっかりと声をのせて絵本を読んであげられます。 お話の世界を一緒に楽しみ、「おやすみ」と声をかけて、娘が安心しきって静かな寝息を立て始めるまで、その穏やかな寝顔をただ純粋に「可愛いな」と思いながら見つめることができる。

明日の持ち帰り仕事の心配も、深夜に起きて布団を抜け出さなければならないプレッシャーもありません。 自分のペースで働き、我が子と過ごす夕暮れから夜にかけての時間を、こんなにも優しく、大切に守ることができる。この働き方にシフトして本当に良かったと、心から実感する毎日です。
子育てには「今しかない時間」があるからこそ
今まさに、保育現場で働きながら
『他人のお子さんには全力で向き合っているのに、我が子に何もしてあげられていない…』
『純粋に子育てを楽しむ余裕がない』
と葛藤している子育て中の保育士さんへ。
私は決して、「だから仕事を辞めてフリーランスになりましょう」と煽ったり、焦らせたりしたいわけではありません。フルタイムで社会を支えるお母さんの背中は、子どもにとって間違いなく誇りです。 ただ、これだけはお伝えしたいのです。
子育てには、どう足掻いても「今しかない時間」というものが確実に存在します。 初めてランドセルを背負って不安そうに振り返る顔。今日あったことを、息を弾ませながら誰よりも先に聞いてほしいと願う瞳。 その「今」は、あとからどんなに時間を取り戻そうとしても、二度と巻き戻すことはできません。

もし、あなたが今、現場の責任感と我が子への想いの間で押し潰されそうになっているのなら 「自分を犠牲にして耐え続ける」以外の選択肢として、フリーランス(ベビーシッター)という道があることを、どうか心の片隅に置いておいてください。 働き方は、自分で選ぶことができます。あなたが心から笑顔で「おかえり」と言える環境を作ることは、決して逃げでもワガママでもありません。
まとめ:あなたの人生の主導権を取り戻すために
お母さん保育士の皆さんは、本当に毎日、自分の身を削るようにして他の誰かの宝物を守ってくれています。 でも、あなたにとっての一番の宝物は、あなたを家で待っているご家族のはずです。
『フリーランスって、収入はどうなるの?』
『社会保障や不安定さが怖い…』
当然、そういった現実的な不安や疑問もあると思います。それらの「お金や保障のリアル」については、決して綺麗事だけでは語れませんので、また別の記事でしっかりと、包み隠さずお伝えしたいと思っています。
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